はじめに
家計簿が完成すると、「次は支出を削らなきゃ!」と思う方も多いかもしれません。
でも、ちょっと待ってください。
やみくもに節約する前に、まずは「お金の目的地」を決めることがとても大切です。
- 老後の生活を安心して迎えたい
- 子どもが大学まで進学できるよう備えたい
- いつかFIRE(早期リタイア)したい
そんなふうに、“何のためにお金を貯めたいのか”を明確にしておかないと、
貯金も節約もなかなか長続きしませんし、お金の不安は解消しません。
最悪、
「将来が不安だから極限まで節約した結果、今が全然幸せじゃない!」
なんてことになってしまいます。
このページでは、
あなたに合った目標の立て方と、
その目標から逆算して「毎月いくら貯めればいいか?」を決めるシンプルな考え方を紹介していきます。
Step1|お金の使い方は「ゴール」から逆算する
節約のテクニックや固定費削減も大事ですが、
それより先に考えたいのが、「何のためにお金を貯めるのか?」という目的です。
目的がないと、貯金や節約はただの我慢になってしまい、
モチベーションが続きません。
まずは、自分や家族の将来について少しだけ立ち止まって考えてみましょう。
ゴールとは?
人それぞれ、お金を使いたい場面は違います。たとえば…
- 子どもの教育費(小学校〜大学までの学費・習い事)
- 老後資金(年金だけでは足りない分を補う)
- 住宅購入・リフォーム費用
- FIRE(早期リタイア)を目指したい
- 育休後の働き方を柔軟にしたい(フルタイムに戻らない選択)
- 自分や家族の夢のための資金(留学、起業、長期旅行など)
目的があるからこそ、「そのために今これくらい貯めよう」「だから月々の出費はいくら以下に抑えよう」という意識が生まれます。
ゴールが見えると、支出の判断もラクになる
目的を明確にすると、
「これは使うべきお金か、それとも残すべきお金か」の判断が自然とできるようになります。
- 教育費を優先したいから、レジャー費はおさえよう
- FIREが目標だから、毎月の貯蓄率を意識したい
- 将来の自分の時間を買うために、今は少し我慢する
そんなふうに、目的に沿った選択ができるようになるのです。
Step2|目標金額と期限を書き出してみる
目的が見えてきたら、次は「いつまでに、いくら必要か?」をざっくりでもいいので考えてみましょう。
目標金額と期限をセットで決めることで、行動に移しやすくなります。
たとえば、こんな感じです
- 子どもの大学進学資金として「18歳までに300万円」
- 老後の生活費として「60歳までに2,000万円」
- 5年後にマイホーム頭金として「500万円」
- 10年以内にFIREするなら「45歳までに3,000万円」
「そんなに貯められないかも…」と思っても、気にしなくて大丈夫。
まずはざっくりと数字を出してみることが大切です。
金額の根拠が曖昧でもOK
「300万円って妥当なの?」と不安になるかもしれませんが、
最初から正確な金額がわからなくても大丈夫です。
- ネットで調べた平均値
- 周りの人の話
- なんとなくの感覚
でもOK。
「目安の数字」があるだけで、今後の計画が立てやすくなります。
あとから情報が増えたら修正すればいいので、まずは仮でもいいから書き出してみましょう。
書き込み式のPDFをダウンロードできます。
👉[ダウンロード(準備中)]
教育費や老後資金について「実際どれくらい必要なの?」という疑問については、
別の記事で詳しく解説しています。
👉 [教育費はいくらかかる?(準備中)]
👉 [老後資金はいくら必要?(準備中)]
Step3|毎月いくら貯めればいい?ざっくり逆算してみよう
ゴールが決まったら、次は「じゃあ毎月どれくらい貯めれば届くの?」をざっくり計算してみます。むずかしい式はいりません。目標を残りの月数で割るだけでOKです!
計算方法
目標金額 ÷ 残りの月数 = 毎月の目安額
たとえば、5年後(=60か月)に300万円を準備したいなら…
300万円 ÷ 60か月 = 毎月5万円
「え、そんなに? ムリかも…」と感じても大丈夫。ここでいったん“目安”がわかれば、次のアクションを考えやすくなります♪
足りないかも?と思ったら
- 支出を見直せるところがないかチェック
サブスクの整理、スマホプランの変更、保険の見直し…意外と掘り出しどころがあるかも。 - 期限をのばすとどうなる?
5年→6年にのばすだけでも、毎月の負担はけっこう軽くなります
例えば、子供の大学費用なら、入学時点で4年分全てのお金が揃っている必要はありません。 - 全部預金じゃなくてもOK
まとまった期間があるなら、NISAなど“増やす”仕組みをプラスする手も。
その他のポイント
- 「学資保険だけで足りる?」
学資保険をかけていても、実際の入学準備費までカバーしきれないことも…。足りないぶんをこのステップで上乗せして考えると安心です。 - ボーナス月を味方に
毎月は3万円、ボーナス月に+10万円など、“無理なく貯められる形”を作るとストレスが減ります。 - 優先順位をハッキリ
老後・教育費・住宅…全部一度に完璧は難しいので、「わが家は教育費が最優先!」など決めておくと迷わず行動できます。
資産はざっくりで大丈夫
将来必要なお金は、どんなに頑張って見積もっても、正確にわかるものではありません。
なので、あまり神経質にならず、「これくらいかな?」程度で十分。それでも、
- 目標金額を決める
- 残りの月数で割って“毎月の目安”を出す
- 足りなければ、期間をのばす・支出を減らす・投資をプラスする
この3ステップだけで、「今なにをすればいいか」がぐっとクリアになりますよ。
Step4|預金?それとも投資?お金の“置き場所”を決めよう
毎月いくら貯めるかが決まったら、次は「そのお金をどこに置いておく?」を考えましょう。
置き場所を工夫するだけで、同じ1万円でも“増え方”や“守られ方”がぜんぜん違います。
まずは“安心ポケット”をしっかりキープ
- 生活防衛資金
万が一のケガや家電の故障に備えて、生活費の3〜6か月分を普通預金に入れておきましょう - 近いうちに使うお金(1〜2年以内)
車検・入園準備・帰省代なども、普通預金へ入れておきましょう。少しでも増やしたい場合は、定期預金や個人向け国債など減りにくい場所に置いておきます。
ここは“減らさないこと最優先”エリアなので、ハラハラする商品は使いません。
10年先・20年先なら“増やすポケット”を活用
- NISA
年間360万円まで“増えた分が非課税”。10年、20年先の教育費や老後資金にピッタリ。 - iDeCo
老後専用の貯金箱。60歳まで引き出せないけれど、掛金がまるっと所得控除になるので節税効果が大きいです。 - 投資信託・ETF
NISA枠を使い切ったら検討。世界株のインデックスなど、値動きがゆるやかなものをコツコツ買うイメージ。
ただし、これらの投資はお金を増やしてくれますが、当然お金が減ってしまうリスクもあります。
「来年子供が大学へ入学するから、少しでも増やしたい」などと思って大学資金を全額投資へ回したのに、直後に暴落がきて「大学へ行かせるお金が足りない!」となってしまっては大変です。
投資へ回すお金は、10年以上使用する予定のないお金もしくは、多少減っても問題ないお金にしましょう。
「長く寝かせてもOKなお金」は、少しでも増える場所に置いておくとインフレ(物価上昇)にも負けにくくなります。
投資が不安であれば「銀行預金をメインにし、投資は少額から始める」という選択肢もあります。
ご自身のリスク許容度に応じて検討しましょう。
NISAって何?iDeCoって何?という解説は、別の記事で詳しく解説しています。
👉 [NISAって何?(準備中)]
👉 [iDeCoって何?(準備中)]
わが家の“ざっくり配分”を決めてみよう
- 生活防衛資金を取り分ける
- 直近1〜3年で使うお金 → 預金にストック
- 10年以上先のお金 → NISA・iDeCoなどで運用
- 毎月の貯金額を「預金用」と「投資用」にざっくり振り分ける
例:毎月5万円を貯めるプラン
目的 | 期間 | 毎月の振り分けイメージ |
---|---|---|
生活防衛資金 | 最優先で貯める | 貯まるまでは50,000円 その後は0円 |
旅行費用(2〜3年後) | 2〜3年 | 10,000円 |
大学費用(10年後) | 10年 | 20,000円(つみたてNISA) |
老後資金(25年後) | 25年以上 | 20,000円(iDeCo) |
数字はあくまでサンプルです。
「わが家ならボーナス月にドンと入れる」「教育費をもう少し手厚く」など、自由にアレンジしてくださいね。
ポイント
- 投資は“時間がお友だち”
使うまでに時間があるお金ほど、コツコツ投資に回す価値あり。 - 制度は“使わなきゃ損”
つみたてNISAもiDeCoも、国が用意した“おトク枠”。まずはここから始めればOK! - 年に1回は“置き場所点検”
収入アップ、子どもが増えた、住宅購入…ライフイベントが変わったら配分を見直しましょう。
何もないと思っていても、意外と生活は変化するので、年に1回くらいは見直しましょう。
適切な”置き場所”が大切です
- 安心ポケット(生活防衛+近い支出)は安全第一
- 増やすポケット(10年以上先のお金)はNISAやiDeCoで育てる
- 預金と投資のバランスは、あなたのリスク許容度に合わせてチューニング
置き場所を決めるだけで、「お金を守る力」と「育てる力」がぐっとアップしますよ。
Step6|年に1回、現状とゴールをざっくり点検しよう
毎月コツコツ貯めていると、数字は少しずつ動いているはず。でも「ちゃんとゴールに向かえている?」を確認する時間を取らないと、いつの間にか道がズレてしまうこともあります。
どうやって点検する?
- 目標シートを開く
Step2 で書き出した「いつまでに・いくら」をもう一度見る。 - 最新の貯蓄残高をメモ
口座や運用中のNISA残高等をざっくり合計。 - 進捗率をざっくり計算
目標金額に対して「今どれくらい?」をパーセントで見てみる。 - ギャップがあればプランを微調整
予定より進んでいればご褒美もOK! 遅れていたら- 月々の貯金額を+3,000円してみる
- 期限を半年のばす
- 投資配分を少し増やす
など、現実的にリカバリーできる案を一つ決める。
点検タイミングは?
- 毎年同じ月(例:新学期が始まる4月、誕生月など)
- ボーナス後など収入が動くタイミング
- ライフイベントごと(転職・引っ越し・第2子誕生など)
“わが家の決算日”を1日決めておくと、忘れず続けやすいです。
ポイント
- 家族会議スタイルにする
パパと一緒に「今年は教育費が○%進んだね!」と共有すると、協力体制が強まります。 - 目標が変わってもOK
途中でFIREより住宅購入が優先になった…なんてことも。
ゴールは家族の状況に合わせてアップデートして大丈夫! - ごほうびもセットに
目標より順調なら「今月は外食デー♪」と楽しみも用意すると、モチベーションが続きます。
この「年1点検」を入れるだけで、目標と実際のズレを早めに発見でき、修正もラクになります。
わが家のお金が“予定通り”に育っているか、毎年かるく健康診断してあげましょう。
まとめ
節約より先に “わが家はどこへ向かうのか” をハッキリさせる
これが家計管理をラクに続けるいちばんのコツです。
- ゴールを決める
老後? 教育? FIRE? まずは「何のためにお金を貯めるのか」を言葉にする。 - 目標金額と期限を書き出してみる
ざっくりでOK。数字があるだけで行動が具体的になります。 - 毎月の貯金額を逆算
足りなければ「支出を減らす」「期限をのばす」「投資も使う」など調整。 - お金の置き場所を選ぶ
生活防衛資金は銀行預金、10年以上先のお金はNISA・iDeCoなど“増やすポケット”へ。 - 年に一度点検
資産額を計算し、どのくらい目標金額に近づけているかチェックします。
必要に応じて軌道修正しましょう。
ゴールが決まれば、毎日の小さな選択(外食する?やめる?)でも迷いが減り、「貯める理由」が続けるエネルギーになります。完璧でなくても大丈夫。今日できる小さな一歩を踏み出して、わが家のお金と未来を少しずつ育てていきましょう!